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電解式汚水処理システム 
特許第4194730号

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コスト比較

塗装ブース無排水化に依る環境負荷の軽減と生産コストの低減

地球温暖化の結果と思われるような記録的な猛暑が続き、連続真夏日は観測記録を超えようとしている。
人類はエネルギーの大半を地下資源に依存しながら、水利用についても人口増加もあって20世紀で10倍にも達している。この先の水資源の枯渇が危惧されている。
たしかに日本の場合は他の国々と比較し、水質・水量ともに豊かと思われるが他の国々には汚れた川の水をそのまま利用せざるをえない人も多くいる。利用可能な地球の真水の水量は限られている。
殆どの生産活動は水を必要としているが、工夫により節水、あるいは限りなく無排水化に近づける努力は今すぐにでも検討、実行すべき課題となっている。当然企業である以上、環境改善と共に生産コストを低減させる工夫と努力が求められる。
まず、問題となるイニシャルコストの低減については、生産各ラインでの処理がコスト低減のポイントになる。

「例」
ここで比較的規模の大きい塗装ラインの改善例を紹介します。

(改善前)

塗装ブースは全部で9基有り、100㎥程度の集中ピットとの間を循環させていた。日常のスラッジの回収は各ブース背面部に浮上したものを手作業で行い、定期的(3ヶ月程度毎)外部業者に依る清掃作業を実施していた。塗装ワークはスチール、またはアルミの構造物である。また使用塗料はメラミン系が多く、1日750Kgの使用となっている。これまでの塗装ブースの産廃処理費用薬品代(ブースクリーナー等)年間2000万円から3000万円程度となっていた。

(改善後)

今回の例では幸いに集中ピットがあるため、ピットに電解装置を設置してピット底部の汚泥を濃縮槽に導入、その下部より常時脱水処理を行う構造とした。
電解装置では毎時6㎥の電解分離をする。一部浮上したスラッジはそのままスラッジ受けに回収し、分離した水はピットに戻りピット内を流れ、比較的上澄になった所で循環ポンプで各ブースに送られる。ピット底部より3㎥/H程度の汚水が濃縮槽(容量6㎥)に送られる。槽上部の上澄水はオーバーフローに依り循環ポンプ近傍に戻る。脱水装置のスラッジ回収量は120Kg/1回のものを2基設置している。バグフィルター式でスラッジのみを回収し、ろ布は繰り返し使用できる構造である。本装置は薬品を使用せず、ブース水の無更新を目的とする。

-各部の仕様について-

電解装置

電解装置は処理水量、毎時1.5㎥のものを4台設置している。各電解装置はそれぞれ原水の吸込ポンプ(150w1φ)が付属し、ポンプ設置位置はブース戻り水の流水口近傍としている。できるだけ流入してきたミストをタイムリーに引き込むためではあるが、既に浮上して塊になったものは吸い込む事が出来ないので、その場合は手作業で除去する事になる。電解に要する電力は200wから300w程度で、ポンプも含め4台合計しても3kw程度である。スラッジ排出はエアーシリンダーを使用しているがタイマーにより5~10分に一度の作動であるので供給エアは2kg/cm以上で5L/minであれば十分である。
他に消耗品はアルミ電極であるが2m/m厚の475m/m×475m/mが各装置、陽極側に12枚設置されている。陰極側はステンレスであり消耗しない。但し、日常点検は必要である。平均消耗時間は600時間となっており、消耗度合いに依り交換する必要がある。目安としてカウンターが設置されている。表示等に警告が出た時に点検し、交換となる。消耗が極端に進行すると残滓が電解槽下部に落下して清掃時間を要してしまうので早めの交換がよい。
浮上したスラッジはスクレバーに依り5~10分間隔でスラッジ受槽に排出され、設置されているろ布に依って水切りがされる。適当量の時は他の容器へ回収する。通気性のある袋に入れた場合は自然乾燥が進行する。
4台の装置は個別運転になっているため、ブースの運転に応じて1部休止させることが可能である。

ピットについて

既設で平底ピットとなっているため底部分にスラッジの沈降、堆積が出来る。流入部から少し離れた所、3ヶ所に汚泥ポンプを底部水平に設置し、各汚泥ポンプと連動させ、極力スラッジの堆積を防止する。
ポンプはタイマーに依り交互運転がされ、濃厚汚水は常時、汚泥濃縮槽に送られる。

汚泥濃縮槽

上昇流式濃縮槽は、容量6㎥表面積負荷2㎥で一部上澄水は循環ポンプ近くに戻る。槽下部に向かって汚泥は濃縮されていくが、槽中央部には槽壁の付着スラッジを防ぐため集泥レーキが設置されており、汚泥ポンプの一部と連動され定時的に回転する。

脱水装置

脱水装置は加圧入式脱水装置である。筒型ろ過フィルター(20L容量、ろ過面積0.8㎡)が2本収納された脱水筒3本1組の装置が2式、また、それぞれに圧入用ダイアフラムポンプ(750w、1.0Mp、960L/H)が付属している。
濃縮槽下部から吸引された汚水は連続的にそれぞれの脱水筒へ圧入される。
ポンプは脱水筒に設置された圧力検出スイッチ(設定値 0.5~0.6Mp)で一時停止する。自然減圧でポンプは再び作動するが、その自然減圧時間が設定時間(30秒~60秒)以上となると脱水完了と判断して脱水運転は停止する。スラッジは筒内の自然減圧を待った後(5、6時間)、扉を開き別容器に回収する。
ろ過袋の下部を正しく折り込んだ後、扉を閉め制御盤面のリセットを押すことに依り脱水運転を再開する。

ランニングコストについて※2006年時点

-条件-
  • 電解装置を16時間運転
  • 脱水装置を24時間運転
  • 消耗電極(48枚)16時間使用

[1]電力費

電解 16H×3KW=48KW
脱水 24H×2KW=48KW

計96KW
15/KWとして ¥1,440

[2]消耗電極(アルミ板)

@1枚¥2,500として、600時間消耗とする。

48×2,500=¥120,000
120,000÷600H=200/時 従って 200×16時間=¥32,00

1日の費用は1,440+3,200=¥4,640となる

月25日とすると 月¥116,000

その他、スラッジの産業廃棄費用も含まれるが、ブースの清掃費も少なくなり、水の更新も不要になるので従来と比較して大幅な経費の節減になる。(1/4~1/5想定)
当改造に依るイニシャルコストは1年半~2年半で回収が予想出来る。

以上例の様に規模が大きいほど経済効果も大きくなる傾向がある。また、個々の事情に合った適切な改造、工夫が重要と思われる。

電解方式とバイオ処理方式とのランニングコスト比較※2006年時点

現状のランニングコスト

[条件]ブース(水量5tタイプ) 2機
※注 金額は概算です。諸条件により異なります。

  年間計算
バイオのリース代 90,000円/月       12×90,000 1,080,000円
清掃費 8人/1日 @25,000円/3ヶ月毎   200,000円/3ヶ月毎 4×200,000 1,080,000円
汚水処理費 10m3/3ヶ月毎     100,000円/3ヶ月毎 4×100,000 400,000円
消費電力(コンプレッサー) 1Kw/h @15 720Kw/月 10,800円 12×10,800 129,600円
  2,689,600円

DZ101KCを2台導入した場合のランニングコスト

  年間計算
消費電極(アルミ板) @2,500円 12枚×
2,500円/2ヶ月
30,000円/2ヶ月   6×30,000 180,000円
清掃費
(1年に1回従来価格と仮定)
8人/1日 @25,000円   200,000円/年 1×200,000 200,000円
汚水処理費 無更新 0円   0円
消費電力 1.5Kw/h @15円 16時間×1.5Kw×25=
600Kw/月
9,000円/月 12×9,000 108,000円
  488,000円
設備費
DZ101KC2台
3,800,000円
設置費 600,000円(東京近郊)

結論

  • 年間のランニングコスト差額は2,201,600円
  • 約2年弱で償却
  • 大幅な環境負荷の軽減

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